みがき残しが多い奥歯は、前歯の約20倍もむし歯になりやすいんです!
みなさんは奥歯をしっかりみがけている自信はありますか?
実は奥歯は、みがき残しをしやすい場所。ハブラシの毛先が届きにくいうえ、前歯と違って凹凸が多いためです。歯並びが悪かったり、劣化した詰め物や被せ物と歯の間にすき間や段差ができたりすることも、みがき残しの原因となります。
奥歯の汚れをしっかり落とすためには、「みがきやすいハブラシの選び方」と「適切なみがき方」を知っておくことがとても大切です。
ものを噛んだり発音したりするうえで重要な役割をもちながら、歯の中でもっとも寿命が短いと言われる奥歯。正しい知識をもとに、大切に守っていきましょう。
ハブラシ選びは予防歯科の第一歩。
奥歯をみがきやすいハブラシを選ぼう!
ハブラシを買おうとお店に行くと、実に多くの商品が並んでいますよね。どれを選ぶか、悩んだ経験がある人も多いのでは? 歯やお口の状態は人それぞれ。歯と歯ぐきの状態にふさわしいケアを行うために、「自分に合ったハブラシ」の選び方を知っておきましょう。
ハブラシ選びの3つの基本
市販されているハブラシの多くは、目的別にさまざま揃っています。パッケージにある表示を目安にして、「むし歯を予防したい」「歯を白くしたい」「歯ぐきもマッサージしたい」「歯周病が気になる」など、今自分が気になっていることや目的に合わせて選びましょう。かかりつけの歯科医院などで、自分に合ったタイプを相談することをおすすめします。
ヘッドは、自分に合った大きさを選ぶのが必須。歯並びが気になる人や、隅々までみがきたいという場合は、小さめのヘッドを選んでください。また、ヘッドの横幅が細いと歯と歯ぐきの境目がみがきやすく、ヘッドの横幅が広いと歯面に対して安定しやすいといった特長があります。いくつか試して、もっとも使いやすい1本を見つけてみましょう。
毛のかたさは、歯ぐきの状態に合わせて選ぶのが正解。歯ぐきの状態が健康ならば「ふつう」の毛のかたさを、歯肉炎や歯周炎などで歯ぐきから出血しやすいなどデリケートな状態なら「やわらかめ」のハブラシを選びましょう。また、「かため」の毛のハブラシは、汚れを落とす力が高いので、しっかりとしたみがき心地を好む人に向いています。ただし、歯ぐきを痛めないよう注意してみがくようにしてください。
では、奥歯をしっかりみがくためには?
ヘッドがコンパクトなタイプを選びましょう。さらに注目したいのが「ヘッドの薄さ」。毛先も含めたヘッド全体の体積が小さくなるので操作性が高まり、奥歯の奥やみがきにくい頬側にも毛先が届きやすいのがメリットです。
「1本1本、丁寧に」が大事。
奥歯の適切なみがき方をマスターしよう!
歯みがきの一番の目的は、しっかり歯垢(プラーク)を落とすこと。自己流のみがき方で“みがいたつもり”でいると、みがき残しをしやすくなり、むし歯になるリスクも高まってしまいます。大切な歯を健康に、きれいに維持するために、「歯みがきの基本」を身につけましょう。
歯みがきの3つの基本
・歯面にきちんとあてる
ハブラシの毛先を歯面、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間にきちんとあてる。
・軽い力でみがく
ハブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で、ハブラシを動かす。
・小刻みに動かす
小刻み(5〜10mmぐらいの幅を目安)に動かし、1〜2本ずつみがく。
1カ所あたり、20回程度を目安に丁寧にみがきましょう。
では、奥歯をしっかりみがく3つのコツとは?
ハブラシの毛先が届きにくく、口に入れたハブラシを動かしにくい奥歯は、部位ごとにみがき方を工夫するとしっかりみがけます。奥歯を意識した歯みがき習慣が、むし歯になりやすい奥歯を守る秘訣です。
・奥歯の頬側をみがくとき
口を閉じ気味にする方がみがきやすいです。唇のはしをハブラシの柄で軽く引っ張るようにすると、ハブラシが奥歯まで届きやすくなります。
・奥歯の舌側をみがくとき
前歯の中央付近から、歯の並びと平行になるようにハブラシを入れると奥歯の舌側にハブラシの毛先がきちんとあたってみがきやすくなります。
・奥歯の奥をみがくとき
ハブラシのつま先(ブラシの先端部分の毛先)を使ってみがきます。噛み合わせの面からハブラシのつま先をあてるようにしましょう。
むし歯になりやすい奥歯のために、
薄型ヘッドのハブラシを!
奥歯の1本1本を隅々までみがいて、むし歯の原因となる歯垢をしっかり取り除くには、小回りのきく「薄型ヘッド」のハブラシがおすすめ! さらに、ヘッドの横幅がスリムで、形状が先細のタイプなら、奥歯の奥まで丁寧にみがくことができますよ!
みがくときは、口の開き方やハブラシを入れる角度を工夫することが大切。奥歯の奥まで意識して、むし歯の原因となる歯垢をきちんと取り除けるようにしっかりケアをしましょう。