歯周病の症状って?(その1)

Q.歯ブラシの時に出血したり、しなかったりするのですが、どうしてですか?

A.歯ぐき(歯肉)に炎症が起きていると、食物や歯ブラシ程度の刺激でも歯肉から出血しやすくなります。
ただし、歯肉に炎症があっても、歯ブラシが歯肉に当たっていない時は出血しないでしょうし、喫煙などの要因で出血しにくくなっている場合もあります。
歯磨き時に出血したことに気づいたならば、早めの歯科受診をお奨めします。

Q.朝起きた時に歯ぐきに違和感があるのですが、どうしてでしょうか?

A.夜寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、口の中が乾燥して細菌などの刺激を受けやすくなります。
実は唾液には、お口の潤いを保ち、汚れを洗い流して細菌の繁殖を抑えるといった、口の中を清潔にして健康に保つ働きがあります。
そのため、夜間に細菌が繁殖して活動性が高まることで、歯ぐき(歯肉)にとっては危険な状態となり、朝起きた時に違和感が生じるのです。
夜おやすみ前には、出来る限り細菌を減らす意味で、歯磨きを丁寧に行いましょう。
また、寝ている間に歯ぎしりを行う習慣があると、歯ぐき(歯肉)などの歯を支える組織に大きな負荷がかかるため、朝起きた時に歯ぐき(歯肉)やお口の周りに違和感を認める場合があります。

Q.歯ぐきが腫れたような気がするのですが、しばらくすると治ります。でもその繰り返しで、だんだん歯が動いてきたりするような気がするのですが、なぜでしょうか?

A.歯ぐき(歯肉)が腫れたように感じるのは、おそらく歯周ポケットの中にいる細菌が原因で歯肉に炎症が起こったためと思います。
歯磨きを怠り、プラークの付着量つまり細菌量が増えてしまった時や全身的な免疫力が弱まった時などに、違和感(腫れた感じ)や痛みといった自覚症状が現われます。
そして、しっかりとブラッシングして細菌量を減少させられた時や免疫力が回復してきた時には、次第に炎症が治まってきます。
ただし、腫れがひいたとしても、歯周病が治ったわけではありません。
きちんと治療を受けないでいると、この歯肉の炎症が慢性的になり、歯を支えている歯ぐきが緩み、骨(歯槽骨)が徐々に溶けていきますので、歯の動きも大きくなっていき、歯の位置も変化してしまいます。
早めに歯科医院を受診しましょう。

Q.体調が悪くなる度に歯ぐきが腫れるのですが、なぜでしょうか?

A.歯ぐき(歯肉)は、体の中でも非常に敏感な部分です。
歯肉に慢性の(緩やかに進行している)炎症がある所は、通常は痛みを感じませんが、体調を崩した時などに免疫力が弱まって、ひどく腫れることがあります。
たとえ自覚症状がなくても、定期的に歯周病のチェックやクリーニングを受けましょう。

Q.歯の根の部分の歯ぐきが腫れているのですが、これも歯周病でしょうか?

A.歯ぐき(歯肉)が腫れる原因は色々あります。
もしかすると、歯の中にある神経(歯髄)の炎症や歯の根(歯根)の破折などが原因となって歯肉が腫れているのかもしれません。
また、歯の周囲から歯周病が進行して、歯根の先まで到達すると、同様の症状が出る場合もありますので、早めに歯科医院を受診して、適切な診断と治療を受けられることをお勧めします。

Q.しっかり磨いていて、歯ぐきも赤くないのに歯の根の部分の歯ぐきが赤く腫れてきたのですが、どうしてでしょうか?

A.歯周病以外の原因でも歯ぐき(歯肉)が赤く腫れることがあります。
その原因は様々ですが、以下のような理由で炎症が拡がっていることが多いです。
①歯の根(歯根)の先に膿の袋が出来ている
②歯根が割れている
③歯根のどこかに穴が開いている
④歯根の表面の部分が剥離している
などが考えられます。
いずれも抜歯による治療となる可能性がありますが、早期の診断と適切な治療を行うことで歯を保存できる可能性が高まります。
早めに歯科医院を受診しましょう。
2022年2月7日(月)